匂いフェチ官能小説
第6弾
【 ふたりの匂い 】
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「んっ、ちゅっ、ちゅっ」
うっとりと目をつむり、
結菜の足先に二度、三度と口付けを注ぐ。
あまりに強い匂いで鼻が麻痺してしまったのか、
感じられるのは唇に触れる足指の感触と、
うっすらした甘美なしょっぱさだけだった。
それでも杏子は、夢中でキスの雨を降らせていった。
「んちゅちゅっ、ちゅぱぱっ、
ちゅるるっ、ちゅるっ!」
接吻を繰り返しつつ足の上を移動してゆくうちに、
だんだんと匂いの感覚も戻ってきた。
唾液による潤みによって、
これまで以上に濃厚な香りの成分が
溶け出してきたのだろう。
(んっはぁぁぁっ……! おいしい……
おいしいよっ、結菜の足ぃっ!)
蒸れた足指への口唇愛撫が、
どんどん熱を帯びてゆく。
それぞれの指の間から、爪の縁の隙間まで。
もっと匂いのするほうへ、
もっと味の濃いところへと、
舌が勝手に進んでいってしまう。
そんな風にして
あらかた匂いの元を舐め取ってしまうと、
杏子は結菜に合図を送って
反対側の足を差し出させた。
当然、杏子のほうも、
彼女に預けていた足を入れ替える。
「はぁっ……! はぁぁっー……!」
結菜が呼吸を荒げて
杏子のソックスをむしり取った。
中から現れた湯気の出るような素足を、
何の躊躇もなく口に含んでゆく。
「うふぅぅぅーっ!」
足先を口いっぱいに咥え込んだ結菜が、
大きく裸身をのけ反らせた。
(あぁ……。私のムレムレの足の味で、
こんなに興奮してくれてる……。嬉しい……)
なりふり構わず爪先を舐めしゃぶる結菜の姿に、
倒錯したときめきが湧いてくる。
杏子は、そんな彼女の胸のふくらみを、
唾液塗れの右足で揉み上げてやった。
「はぅんっ! むふぅぅぅーっ!」
足指を折り曲げ、むぎゅっ、むぎゅっ、
と乳ぶさを押し揉んでやるたび、
結菜が色めいた喘ぎ声をあげる。
さらに指の股で乳首を挟んでひねってやると、
ビクンと身を震わせながら
激しく足指へ吸い付いてきた。
「んーっ!」
あまりに切ないその感覚に、
杏子は思わず声を漏らしていた。
相変わらず、結菜の口ねぶりは
強烈に性感を揺さぶってくる。
股間の奥がジーンと熱くなり、
口の中がどんどん寂しくなってくる。
(あぁんっ、嬉しくなって
結菜に悪戯してる場合じゃないわっ!
私も早くこの子の足を味わいたいっ!)
杏子の胸の谷間に乗っけるようにして
差し出された結菜の左脚。
その膝下までを包み込む紺のハイソックスを、
強姦魔もかくやという勢いで剥き下ろしていく。
ソックスの先端を引っ張って足から抜き、
そのままベッド脇に投げ捨てる。
何度か匂いを確かめた先程と違い、
今欲しいのは濃くて濃くて濃い、
脳みそをとろめかすような足の味だった。
「はぁっ……はぁっ……!」
目の前には、
ジトついた匂いを立ち昇らせる結菜の素足。
すさまじいまでの興奮で、
呼吸がめちゃくちゃに乱れている。
「はぁっ……ふぅっ……ふぅぅっ……!」
次第に過呼吸気味になってきて、
頭がクラクラしてくる。そのおかげか、
この汗ばんでネトネトの足を口へ含むことに、
もう何のためらいも感じなかった。
かぷ……んっ!
温かな足にかぶりついた途端、
とんでもない匂いが脳内ではじけた。
(この味、ヤバいっ……!)
瞬時にそう悟った杏子は、
咄嗟の判断で右手を股間に潜り込ませた。
ブシャアァァァーッ!
熱いものが手の平にしぶき掛かった。
ここまで何度も失禁しているだけあって、
量はそれほどでもなかったようだ。
おそらく、ベッドは汚さずに済んだはずだ。
(危なかったぁ……!)
お椀状にした右手の中に、
温かい雫が溜まっているのがわかる。
大した量ではないが、シーツの端で手を拭いて
済ませられるものでもなかった。
(どう……しよう……)
結菜の爪先を口に咥えたまま考える。
しかし、喉から鼻に抜けてくる強い芳香のせいで、
頭がまったく働かなかった。
「んむぅっ、ムチュチュウッ!」
頭が真っ白なまま、
ただただ口の中の足指をしゃぶりあげる。
たまらない味と匂いが口に広がり、
あまりの恍惚感で後先のことなど
どうでも良くなってくる。
(も、もうどうなってもいい……!
これ、身体に塗っちゃえっ!)
杏子は太腿の間に差し入れていた
右手を引き上げると、
そのまま尿に塗れた手の平を
自分の胸に撫で付けていった。
生ぬるい湿り気を胸のふくらみに塗り広げる。
やましい潤みが乳肌に染み渡る。
やがて胸の谷間を伝った滴が、
優美な臍のくぼみに溜まり始めた。
その頃にはもう、
杏子の理性は完全に吹き飛んでいた。
(あぁっ、すごいっ!
私、おしっこ身体に塗り付けながら
結菜の足しゃぶってるのぉぉぉっ!)
舌で感じる足の匂いに加え、
尿の狂おしいアンモニア臭まで
鼻先に漂って来ている。
これほど淫らな気持ちになったのは
始めてのことだった。
激しい昂ぶりに身を委ね切った杏子は、
今や三本もの指を口に含んで
ジュッポジュッポとしゃぶり上げていた。
(あっはぁーっ! おいし過ぎるよ、
結菜の足っ! あぁんっ、
でも、もうそんなに味がしない……!
舐め過ぎて味が薄くなってきちゃってるよぉっ!
もっと欲しいのにっ!
もっとこういうのを味わいたいのにっ!)
とはいえ、どんなにお替わりをしたくても、
結菜の脚は二本しかないのだ。
そうなると、今以上の興奮を
もたらしてくれる場所はただ一つだった。
最後の楽しみとして大切に残しておいた
アノ部分。
二人の股間だ。
「むふぅっ……!
結菜ぁっ! もういいよねぇっ?」
杏子が足先から口を離して言うと、
「はひぃっ!
私もさっきからそのことばっかり考えてました!」
欲情しきった結菜の声が返ってきた。
「じゃあ、しよっ!」
「はいーっ!」
身体を起こした結菜が、
四つん這いで近づいてくる。
その途中で杏子のお臍に溜まったしずくに気付き、
当たり前のように顔を寄せていく。
結菜の柔らかい唇が、
ぴとりとお腹に押し付けられた。
窪みに流れ込んでいた尿の水滴が
チュルルッと一息で吸い上げられる。
その直後、色めいた声が結菜から漏れた。
「んんーっ!」
顔を跳ね起こした結菜は、
驚いた目で杏子を見てきた。
「びっくりしましたっ!
杏子さんの汗かと思ったら、
おしっこじゃないですかっ!
どうしてこんなところに
おしっこが溜まってるんですかっ?」
「うふふっ。結菜の足の味で興奮し過ぎて、
ちょっとオモラシしちゃったのよ。
一応、手で受け止めたから
ベッドは汚さないで済んだんだけど、
そのおしっこどうしようかなーって思っているうちに
だんだんどうでもいい気持ちになってきちゃって、
体に塗っちゃった」
「はぁんっ、漏らしたおしっこ
体に塗っちゃうなんて……!
杏子さん、エッチ過ぎますよっ!」
「あれぇ? 私のおヘソに溜まってたのが
おしっこだってわかって、
それで大喜びしてる結菜は
エッチじゃないの?」
「やんっ! 私のことはどうでもいいんですっ!
それより、今の杏子さんのおっぱい、
おしっこの味がするってことですよねっ?
まずはそっちを舐めさせて下さいっ!」
尿滴にまみれた杏子の乳ぶさに向かって、
結菜が顔を沈めてゆく。
香り高く湿潤した乳肌に何度か頬を擦り付けた後、
ピンク色の舌を出してペロペロと舐め回し始める。
「ふぅんっ……はぁっ……」
温かい舌が胸をヌルヌルうねり回る感覚に、
ついつい甘い吐息を漏らしてしまう。
「んっ、んーっ……」
結菜の舌はただひたすらに
尿の味を舐め取っているだけであったが、
それが時たま乳首をかすめたりするので、
その度にピクンと肩が震える。
(あぁ……。こんなおしっこまみれの
おっぱいを舐めてくれてる……。それも、
イヤイヤやってるんじゃなくて、
心の底から嬉しそうに……)
尿の染み付いた身体へ喜々として
舌を這わせてくれる後輩に、
杏子はたまらない愛しさを感じていた。
これほどまでの愛情を自分に示してくれるのは、
世界中で彼女だけだ。
「はぁぁっ、結菜ぁ……」
杏子は左腕で結菜の頭を掻き抱き、
強く胸に押し付けていった。
本当は両腕で抱きしめたかったのだが、
右手に付いたおしっこで
彼女の可愛らしいショートカットの髪を
汚したくなかったのだ。
たとえ、今から彼女が、
おしっこ以上に不潔なもので溢れた場所へ
顔を埋めることになるのだとしても……。
(あぁんっ、私も早くこの子のこと
ナメナメしてあげたい……。
おしっこの匂いどころか、
もっともっとエッチな匂いのするトコを
チュウチュウ吸って気持ちよくしてあげたい……!)
杏子はだんだん
居ても立ってもいられなくなってきた。
さっきまで匂い立つ足先を頬ばって
ジュポジュポしゃぶりあげていたこともあり、
口の中が寂しくてしょうがなかった。
「ねぇ結菜、私もう我慢出来ないの……。
そろそろいいよねっ?」
左手で結菜のしっとりした髪を撫でながら
催促した。その声に、
彼女がぴたりと動きを止めて顔を上げる。
「はいぃ、私も杏子さんのもっと濃いトコロを
味わいたいですぅ……」
そして二人は最後の、
心身の融和を最高に感じさせる行為へと歩み出した。
アンジェリークコラム