匂いフェチ官能小説
第6弾
【 ふたりの匂い 】
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 口移しで散々お茶を飲み合ったあとも、
二人はしばらく甘美なキスに浸っていた。

 電車遅延のせいで
長い時間おあずけを食っていた分、
「始まりのキス」がいつもより
ディープなものになってしまったのだ。

 しかし、
このような唾液塗れの口の吸い合いですら、
彼女らにとってはほんの挨拶に過ぎないものだった。

なにせ、先程まで交わしていたキスには、
胸をときめかせるような匂いも、
ゾクゾクするような淫らな味も
付いていなかったのだから……。

「はー……。ずいぶん長いことキスしちゃったね」

 口付けが一段落したところで杏子は言った。

「はいぃ……」

 と、結菜がぼーっとした様子で頷く。

「ふふっ。もう普通のキスはいいよね。
そろそろ私たちらしいこと始めよ?」

「はいっ!」

 激しいキスの疲れから
霞んだようになっていた結菜の表情が、
ぱぁっと明るくなった。


「じゃあ、どっちが先に匂い嗅ぐか、
早くジャンケンしましょうっ!」


 そう言っていそいそとセーターの
袖をまくっていく結菜。
その声はウキウキした色で一杯だった。


「ううん。
今日はジャンケンなしでいいかなーって。
だって、電車遅れたせいで、
この前より時間遅いでしょう? 

順番決めてかわりばんこに匂い嗅いで、
なんてやってたら、
あっという間に日付が変わっちゃうわ。

だから、今日は二人で一緒に匂い嗅ごうよ」


「あっ、そうですよね! 
今日はベッドが使えるんですもんね! 
じゃあ、さっそく!」


 そう告げるなり結菜は、
壁際のベッドへと飛び込んでいった。


「はぁぁっ。杏子さんのベッドー!」


 掛け布団をめくって頭を潜り込ませ、
嬉しそうに脚をばたつかせている。
やがて、布団の中から結菜のくぐもった声が
聞こえてきた。


「あぁ、幸せ……。
杏子さんの匂いがします……」


「そうね。
今日のことがあったからシーツ替えてないし、
昨日はお風呂入らないで寝たから、
いつもより匂いが強いかも」


「あーん、ここで毎日杏子さんが寝てるんだ……。
あぁ、枕も、枕の匂いも嗅ぎたい……」


 結菜の手が布団の下から伸び出てきたかと思うと、
枕を鷲掴み、ヒュンとすごい勢いで
中に引っぱり込んでいった。
一呼吸置いて、感嘆の声が漏れてくる。

「はぁぁぁっ……! 
杏子さんの髪の毛の匂いが
すっごい染み込んでるぅ……! 

はぁぁっ……! ゾクゾクしてきちゃうぅ……!」


 布団から飛び出た紺のハイソックスの脚が、
歓びに悶えるように揺れている。


「うふふっ。たっぷりゾクゾクしておいてね。
その分、私が結菜の匂い嗅ぐ時の
楽しみが増えるわけだから」


 それを聞いた結菜が、
ガバッと布団をめくり上げて顏を見せた。


「ダメですっ! 
私だけがアソコぬるぬるにしちゃうなんて、
そんなの不公平です! 

杏子さんも早くこっち来て
私の匂い嗅いで下さい! 

せっかくベッドでこういうコトできるっていうのに
時間がもったいないじゃないですかっ!」


「ふふっ。そうね」


 後輩の必死さにくすりと笑いつつも頷き、
立ち上がってベッドへと近づいていった。


「あぁん、杏子さぁん……」


 ポゥッと頬を上気させた結菜が、
ベッドに招き入れるように
下から抱きついてくる。
そして、耳元でこう囁いた。


「早く杏子さんのエッチな匂い嗅がせて下さい…
お布団に付いた匂いも素敵ですけど、
やっぱり生の杏子さんの匂いを嗅ぎたいです…」


 『杏子さんの唾を飲ませて下さい』
の一言がいえずにモジモジしていた結菜の面影は
もうどこにも感じられなかった。

エッチモードになっている結菜は、
『アソコぬるぬるにしちゃう』
『杏子さんのエッチな匂い嗅がせて下さい』

などといった卑猥な言葉でも、
平気で口にしてしまうのだ。

その手のことをあまりにハッキリと
大きな声で言うので、
近所の人たちに聞こえやしないかと
心配になるほどだ。

 とはいえ、杏子の住まいは幸いにも角部屋で、
隣室も空いているので、
夜中に多少大きな声で話したとしても
聞かれることはないだろう。


「はぁぁ……結菜ぁ……」


 杏子はその見事なスタイルの身体でもって、
一つ年下の小柄な後輩をベッドに押し倒していった。


「はぁん、杏子さぁん……!」


 熱い息を漏らしつつ、
結菜が背中に腕を回してしがみついてきた。
そんな彼女の首筋に鼻を付け、
クンクンと匂いを嗅ぐ。

酸っぱいような汗の匂いが杏子の鼻腔に広がった。


「んふぅ……。疲れた時の結菜の匂いだぁ……」


 その愛くるしい香りに胸がキュンとなり、
思わず強く抱きしめてしまう。
結菜もそれに応えるように身体を押し付けてきて、
洋服越しにお互いの胸が重なり合う。

 弾力のある乳ぶさ同士の睦み合い。
そのあまりの心地よさに、
身震いするような歓びが湧き上がる。


「あふぅ……杏子さんのカラダ、
あったかいぃ……」


「ふふふ。
結菜のカラダも柔らかくて気持ちいいよ……」


「あぅん、嬉しい……。それに、こんなに近くで
杏子さんの匂いが嗅げて幸せです……」


 目をうっとり細めた結菜が、
杏子の首筋に垂れかかる黒髪へと
顔を擦り寄せてきた。

杏子もまた、
彼女のショートカットの髪に鼻を埋める。
昨日お風呂に入っていないせいで、
少ししっとりとした結菜の髪の毛。

その生え際から発せられる汗っぽい香りを、
すぅっと大きく吸い込んでゆく。


「んはぁぁぁ。洗ってない結菜の髪の匂い、
すごくいいよぉ……」


 深く息を吐いて、杏子は顔を上げた。
そのままベッドに手をついて上体を起こし、
結菜の瞳を覗き込む。


「うふふっ。でも、スカートの中は
もっといい匂いさせてるんだよね?

お風呂入らないで、
パンティも昨日から穿きっぱなしで……。
そういう結菜の匂い、私に嗅がせて?」


「はいぃ……」


 結菜が頬を赤く染めて頷いた。
そして、すぐにこう付け加えた。


「私も杏子さんの大事なトコロの匂い
嗅ぎたいです……」


「うん。一緒に嗅ぎっこしよ!」


 ニッコリと笑ってそう言うと、
杏子は膝立ち歩きでベッドの上を移動していった。

 手前にあった掛け布団を折り畳んで
端へと追いやり、
結菜の足側に顔を向けた形で四つん這いになる。

そのまま脚を開いて仰向けの結菜をまたぐようにし、
シックスナインの体勢をとった。


「はぁっ……! 早くぅっ! 
スカートが邪魔ですっ……!」


 下になっている結菜が、
顔に垂れ掛かる杏子のワンピースの裾を
うっとうしそうに払いのけている。


「ごめんね、今めくるからね」


 杏子はいったん身体を起こし、
スカートの裾をたくしあげていった。

露になったパンティは、
白と水色のボーダー柄。

昨日からずっと穿きっぱなしの上、
今日のことを思っていろいろと
妄想を膨らませていたために、
中心部全体がはしたなく黄ばんでいた。


「あぁ……。杏子さんのパンツ、
アソコの部分が黄色くなってるぅ……」


「やんっ。
わざわざそういうこと言わないでよっ。
そんなのあたりまえなんだから! 

それに、
どうせ結菜だってそんな風になってるんでしょっ?」


「あぁん、そうですけど嬉しくてぇ……」


 結菜はボゥッと頬を染めて
杏子の股間に見入っている。
やがて興奮でたまらなくなってきたのか、
彼女の下半身がモゾモゾと動き始める。


「それより電気消す? 
匂いに集中するんなら、
暗いほうが気分出るかなー、とも思うんだけど」


「うぅんっ、このままでいいですっ! 
杏子さんの素敵なアソコ、
よぉく見たいですから!」


「ふふっ、いいわ。
なら私は、結菜のネトネトに汚れきったアソコ、
じっくり見させてもらうから」


 杏子はわざと意地悪く言ってみせた。

「やぁんっ! そんな言い方ヒドイですっ! 
杏子さんだって、
絶対そういう風になってるくせにぃっ!」


「うふふっ。大丈夫よ。
どんなに汚れてても、
私がぜーんぶ綺麗にしてあげるから」


「あーっ! それ、私のいつものセリフですよっ!
私の言いたいこと
先に言っちゃうなんてズルイですっ!」


 まるで駄々っ子がするように、
ジタバタと手足を動かして訴える結菜。


「うふふふー。
ペロペロして味わうのは後のお楽しみでしょ。
まずはココの素敵な匂いを
思う存分嗅がせてもらうわ」


「あーんっ! もうっ!
  私の言うことちゃんと聞いて下さいよぉっ!」


 杏子は彼女の抗議には取り合わず、
再び四つん這いになっていった。

頭を下げて自分の股間の先を覗き込むと、
膨れっ面の結菜と目が合った。
その子供っぽい表情に思わず吹きだしそうになる。


(あはははっ。
怒ってる、怒ってる。カワイイーっ!)


 こんな風に結菜の機嫌を損ねてしまうと、
このあとのプレイにかなりの
支障が出そうなものであるが、
杏子は簡単かつ確実な解決方法を知っていた。


「ふふふっ。意地悪してゴメンね! 
お詫びに私の恥ずかしい部分の匂い
嗅がせてあげるから!」


 そう言って杏子は、
匂い立つパンティに包まれた自らの股間を、
結菜の顔へと押し付けていった。


「あふっ!」


 バフッという音がして、
杏子の股座(またぐら)が結菜の口をふさいだ。

突然のことに、
結菜の両脚が息苦しそうにのたうつ。

が、程なくして、
その動きは嬉しげな身悶えへと変わっていた。


「はーっ! ふーっ!」


 太腿で頭部を挟み込まれた結菜が、
呼吸を荒く乱し始める。

やがてパンティ生地を染み透った熱い吐息が、
杏子の秘部にまで伝わってくるようになった。

こうなってしまえば、
結菜はもう意地悪されたことなんて
綺麗サッパリ忘れてしまっているだろう。

そんな単純なところも含めて、
杏子は結菜が可愛くて仕方なかった。


(うふふ。興奮してる、興奮してる!)


 自分の秘めやかな場所の匂いが、
後輩の情欲を際限なく煽っている。

杏子は今、たまらない歓びを感じていた。
秘唇の奥がジンジンと疼きてきて、
思わず股間を擦り付けてしまう。


「はぁぁーっ! ふぅぅぅーっ!」


 結菜の呼吸音が一段と高まったのが分かる。
もしかしたら染み出した愛液が
パンティを濡らし始めたのかもしれない。

熱く蒸れた股間の匂いは、
汁気を帯びてさらにどぎつさを
増していることだろう。

その証拠に、
結菜の下半身のうねりが
ますます大きくなってゆく。


(あぁぁ……。嬉しい……。
結菜がこんなに喜んでくれてる……)


 こうして自分の体臭に酔い痴れる結菜の姿を
目にするたび、
杏子は言い表せないほどの幸福感に
包まれるのだった。

そして、
彼女との秘密の関係が始まる切っ掛けとなった、
あの日のことが脳裏に甦る……。






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